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計算複雑性理論で扱う計算問題の多くは決定問題である

計算複雑性理論で扱う計算問題の多くは決定問題である。決定問題とは、答えが「はい」か「いいえ」になる問題を指す。

決定問題を主に扱うのは、任意の計算問題を何らかの決定問題に還元することが常に可能だからである。例えば、HAS-FACOTR を与えられた整数 n と k(どちらも二進数で与えるとする)について、n が k より小さい素因数をもつかどうかに答える決定問題とする。すると、計算問題 FACTORIZE(素因数分解)の解法は、HAS-FACOTR を使って実現でき、その際に追加の資源はそれほど要しない。具体的には k について二分探索を行い、n の最小素因数を探索し、その値で n を割る。そして商について再び同じ作業を繰り返していけばよい。このことは、HAS-FACTOR の解法をある計算資源量で実現できるか否かが分れば、FACTORIZE の解法についても分るということを意味する。

計算複雑性理論では、答えが「はい」かどうかを確認する問題と、答えが「いいえ」かどうかを確認する問題を区別する。「はい」と「いいえ」を逆転させた問題は、元の問題の補問題と呼ばれる。
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例えば決定問題 IS-PRIME(素数判定問題)は、入力が素数の場合に「はい」、そうでなければ「いいえ」を返す。一方、問題 IS-COMPOSITE は与えられた整数が素数でない(すなわち合成数である)ことを決定する。IS-PRIME が「はい」を返すなら、IS-COMPOSITE は「いいえ」を返す。逆も成り立つ。したがって IS-COMPOSITE は IS-PRIME の補問題であり、同様に IS-PRIME は IS-COMPOSITE の補問題である。

ある問題の解を求める計算量とその補問題の解を求める計算量は同じであるが、問題のあるインスタンスについて「はい」となる証拠を与えられて、その証拠が正しいかを判定する計算量は同じとは限らない。例えば、IS-COMPOSITE問題で、ある整数について、証拠として素因子を一つ与えられれば、除算を行うことで検算することができる。しかし、IS-PRIME問題では、どのような証拠を与えればよいかは、しばらくの間、自明ではなかった。補問題を区別することは、後述する複雑性クラスNPとco-NPなどで重要となる。

計算複雑性理論の重要な成果の1つとして、ある難しい問題があったとき(それがいかに大量の時間資源や空間資源を要したとしても)、それよりさらに難しい問題が必ず存在するという事実がある。時間計算量については時間階層定理によってこれが証明されている。同様に領域階層定理も導かれる。

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2009年06月13日 08:19に投稿されたエントリーのページです。

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